Jun 15, 2023
日本の輸出が2021年以来初めて減少、経済への懸念高まる
[東京 8月17日 ロイター] - 7月の日本の輸出は、軽油とチップ製造装置の需要低迷に引きずられ、ほぼ2年半ぶりに減少し、原油安への懸念が浮き彫りとなった。
[東京 8月17日 ロイター] - 7月の日本の輸出は、軽油とチップ製造装置の需要低迷に引きずられ、ほぼ2年半ぶりに減少し、主要産業の需要が高まる中、世界的な景気後退への懸念が浮き彫りとなった。中国などの市場が低迷する。
財務省(MOF)が木曜日に発表した7月の日本の輸出は前年同月比0.3%減だったが、ロイター調査によるエコノミスト予想は0.8%減だった。 前月の1.5%上昇に続いた。
内閣府が発表した別のデータでは、設備投資の重要な指標が6月に増加したことが示された。 しかし、オフショア需要の低迷もあり、メーカー各社は今四半期のコア受注が減少するのではないかと警戒している。
全体として、一連のデータは日本の輸出エンジンの脆弱性を浮き彫りにし、自動車出荷と観光が最大の推進力となり、予想を上回る第2・四半期国内生産(GDP)成長を支えた。
日本の政策立案者らは、世界第3位の経済をてこ入れし、物価上昇で打撃を受けた個人消費の低迷を取り戻すために輸出に期待している。
しかし、世界経済の減速がさらに深刻化するのではないかとの懸念と、日本の主要市場である中国の成長の鈍化により、見通しに対する懸念が高まっている。
世界銀行は、金利上昇と信用引き締めが2024年の世界成長にさらに大きな打撃を与えると警告した。
世界経済の成長に対する懸念は、貿易の流れが都市国家経済を小さくする中、海外需要の尺度として見られているシンガポールの輸出の持続的な減少を示す別のデータによって先に強調された。
農林中金総合研究所のチーフエコノミスト、南武志氏は「中国は依然低迷しており、欧州や米国の需要がさらに加速するとは予想していない」と述べ、今四半期は日本経済が低迷する可能性があると付け加えた。
仕向地別では、日本の最大の貿易相手国である中国への輸出は、6月の10.9%減に続き、自動車、ステンレス鋼、マイクロチップの出荷減少により、7月も前年同月比13.4%減となった。
先月の米国向け出荷額は前年同月比13.5%増となり、前月の11.7%増に続き電気自動車や自動車部品の出荷が牽引し、過去最高額となった。
ファイル写真 - 2017年7月19日、東京の港のコンテナエリアで働く労働者。2017年7月19日撮影。ロイター/花井徹/ファイル写真 ライセンス権を取得
南氏は「日銀は世界経済の下振れリスクを認識しなければならない。そのため、外部減速のリスクを考慮すると、当面は金融政策の正常化に向けた取り組みを回避せざるを得ないだろう」と述べた。
日銀は7月の会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)目標を据え置いたが、インフレと成長の拡大に合わせて長期金利がより自由に上昇できるようにする措置を講じた。
木曜日のデータでは、7月までの1年間に輸入が13.5%減少し、予想中央値は14.7%減少したことも示された。
貿易収支は予想中央値の246億円の黒字に対し、787億円(5億3727万ドル)の赤字となった。
別のデータによると、6月の日本の基幹機械受注は前月比2.7%増加した。
今後6~9カ月間の設備投資の指標とされる非常に変動の激しいデータ系列であるコア受注は、前年同期比で5.8%減少した。
内閣府が調査した製造業者は、7─9月期のコア受注が2.6%減少すると予想しており、輸出の低迷と合わせて日本経済への圧力が高まっていることを示唆している。
キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋部門責任者、マルセル・ティエリアント氏は、「7月の貿易統計だけを見ても、第3四半期を通じて純輸出が若干増加したことを示している」と述べた。
「だが、たとえそうだったとしても、GDP成長率は確実に急激に鈍化するだろう」と同氏は付け加えた。
(1ドル=146.4800円)
レポート:梶本哲史編集:Shri Navaratnam、Kim Coghill
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